クッキーが我が家に来た 其の1


 1993年7月27日
里親探しのボランティアの人から電話がかかってきた。
「頼まれていた小さな犬、ちょうどいいのがいますから見に来られませんか。」
「すぐ行きます!!」
1時間車を走らせて待ち合わせ場所へ行くと、
飼い主に抱かれた何とも小さなグレーの犬。
思わず「まぁかわいい。」

 「抱いてみられますか?」と飼い主に言われ
「えっ、どんな風に抱くのですか?」
「どんな抱き方でもいいですよ。」
というが早いか押しつけられたような格好で、グレーの小さな犬は私の腕の中。
あばれて飼い主の所へ戻ろうとする。
「危ないからだめよ、いいこ、いいこ。」
と撫でてやるとすぐに落ち着いてきて
私の片腕の中で収まっている。
何とかわいい子。
しかも希望どおりとっても小さい。
というか、思っていたよりもっともっと小さい。

「ホントにこの子もらってもいいんですか?」
飼い主は引っ越しのため、どうしても手放さなければならないらしい。
「かわいいと言ってくださる方にもらっていただきたいんです。」

 そのときから、クッキーは私のクッキーになった。
私の腕にだかれてから、 一度も元の飼い主の腕に帰ること無く、
そのまま私に抱かれて車に乗り、我が家へ向かった。
クッキーは車の中から、
だんだん離れていく元飼い主を見ていたが、
暴れる様子もなく、吠えることもなく
ただ外を見ていた。
4〜5分もすると、助手席から私の膝へ移り座り込み、
ハンドルを持つ左腕に顎を乗せて来た。
さみしいんだろうかわいそうに。

 大阪の街のとろとろ運転を1時間、
顎を乗せたまま走ってようやく家にたどり着いた。

      (後半へ続く)                  2000年11月11日     
 



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