クッキーが我が家に来た 其の 2


  我が家に着くと、あちこち走り回り臭いをかぐ。
臭いをかいでは走り回る。
一通り探検が終わるとじっと様子を見ていた私の膝へ。
そして私の顔をじっと見上げる。
不安なのだろうとそのときは思ったのですが、
後から思うには叱られないか様子を伺いながらごまをすっていたようです。

 クッキーは、お手もお座りも教えて貰っていませんでした。
首輪をしたことのない子でした。
犬のトイレなど無縁な子でした。
まるで放し飼いの室内犬だったのです。

 主人が帰ってきて、「わんわん」と2〜3回吠えました。
クッキーの声を初めて聞いたのです。
「この犬貰ってきたんや、かわいいやろ。」と言うと
主人は「ふぅ〜ん。」の一言。
でも着替えが終わると、撫でたり抱いたり。
クッキーの方が戸惑っている。
なんだ気に入ってるんじゃないの。
それならそうと「かわいい子貰ってきたな。」って言えばいいのに、
ホント無口な人は困る。

 ところが、何ヶ月も後で聞いたのですが、このとき主人は
「何とがりがりで不細工な子を貰ってきたんだ。」と思ったんだそうです。
そうですね、凄くやせててがりがりでした。
毛を短くしていたのでよけいそんな風に見えたのでしょう。
後に体重が増えて、
毛も長めにしてやるとカールが出て別人のように、
いえ、別犬のようになったとき、初めて「かわいくなった。」と言っていました。

 息子が帰ってきて、「あっ、この子貰ってきたんか?かわいいやん。おいでおいで。」
主人と何と反応の違うこと。
さすが私の息子、よくしゃべる。
「この子なんて言うん?えっ、クッキー?クッキーおいで。」
おそるおそる近づくクッキーの首を撫で、頭を撫で、抱き上げ、「よしよし、いい子いい子。」

 こうしてクッキーは我が家の家族の一員に迎えられた。

         犬を貰ってくると3日くらいは
夜になると寂しがって泣くのだそうですが、
クッキーは一度も泣くことなく、
私が作った段ボール箱にバスタオルの
にわか仕立てのベッドで、すやすやと寝ました。

                                            2000年11月11日


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