立山道中記

「あ、あそこにほら、雷鳥!」
旦那が指さす。
遊歩道から30メートル程入ったところ
いる!
雷鳥だ。(たぶん)
ニワトリではなさそうだし(^-^;
立山で雷鳥のように見える鳥と言ったら
やっぱり雷鳥だと思う。
茶と灰色と黒が混ざったような
地味な色の鳥がじっとしてる。
人の声がしても逃げようとしない。
しばし雷鳥を見る。
ホントは一休み。

ふと気が付くと
さっきまで私たちの前にいた
何組かのグループが見えない。
あれ?
みんなどこへ行った?
私たち、道間違った?
さっき
もっと下へおりる石段があった。
何とか地獄。
みんな地獄へ堕ちはったんやね。

後ろを振り向く。
まだホテルがそこに見える。
私たちの行く道は?
まだまだぐる〜〜っと
ふぅ、ずいぶんある。
でも景色がきれいなので
このハアハアも苦にならなくなった。
こんなきれいな山もあったんやね。
みくりが池に映る立山。
頂上を見せない立山。
うちの近くの山と大違い。
もう山は見飽きたと言っていたのに
山を見て感動するとは夢にも思わなかった。

「来て良かったね。」
旦那は笑って
「気に入ってもらえて良かった。」

誰もいないけど、時間までに帰れるかなぁ。
ホントに誰もいない。
この景色は全部私たちのもの。(笑)
ウソのように静かなのが
この景色にはよく似合う。
この静寂を破ってるのは・・・
ははは、私だ。
でも、息が切れるので
ふだんの半分もしゃべってないよ。

「ラブレター」という映画を思い出した。
豊川悦司と中山美穂の映画。
ラストシーンで中山美穂が
山で遭難した昔の恋人に
「お元気ですか〜?」と
山に向かって叫ぶ。
その時の山の景色が
きれいだった。
あのときの豊川悦司のセリフ。
「今、いっちゃんええとこや。」
かっこよかった〜
あれはどこの山だったのかは
思い出せないが。

半周くらいの所に小さな小川。
手をつけると冷めた〜い!
きっと飲めるんだろうね
と言いながらも
飲む勇気はなかった。

手の届くところに
高山植物の数々。
なんて花かなぁ。
「『立山の花』とか何とか言う本を売ってたよね。
普通そうゆう本を片手に歩くんやで。」
「普通やないもの。」
ふむ、納得。

3/4くらい歩いた所に
雪がある。
雪なんて、毎年イヤほど見てる。
雪かきでウンザリしてる。
なのに立山の雪はなんだか違う。
雪の上に立って
「ねぇねぇ、写真撮って!」
旦那が構えてパチリ。

「ちゃんと足元まで写した?
雪の上に立ってるとこ写した?
足切れてへん?」
「頭が切れとったら怒るやろ?」
納得、納得。

無事、ホテルまで帰ってきた。
何と、ガイドの付くコースは
やっと今出発したばかり。
あんなに急いで帰ってくることはなかったんや。
・・・急いだか?
うん、気持ちは急いでた。

帰ると早速
ホテルの土産物屋さんへ。
「好きやなぁ。」
なんとでも言え。(笑)

あの人とあの人
あ、あの人にも。
滅多に旅行しないから
今までにおみやげ貰った人みんなに買おうと思ったら
もう大変!
折角あげるなら
美味しいものがいいよね。
自分に言い聞かせながら
せっせと試食して回る。
あ、これ美味しい。
あ、これも。
う〜ん、これは今ひとつ。
試食ってあんまり好きじゃなかったはず。
だって
いっぱい歩いてきたから
もうお腹ぺこぺこ。

いっぱい買って部屋に戻る。
数えるとまだ足りない。
まあ、また明日。
夕食はまだかなぁ。
ホントにお腹空いた。
さっき買ったおみやげを
一つ開けてつまむ。
あきれ顔の旦那。
だって、あんなに歩いたもの。

お待ちかねの夕飯。
ツアーの人みんなで大きな部屋で。
やっぱり外の景色が見えるようにと
一番奥の窓側へ。
空がほんのり赤い。

雪の壁も見える。

それにしても
早く食べたいのに、まだ?
添乗員さんが
挨拶かと思ったら
「すみません、もう少し待ってください。
浴衣を着たまま来られたお客さんがありましたので
今、着替えに帰られました。」
あれほどホテルの人が
浴衣のままでは食堂へ行かないようにと言われたのに。
早く食べさせて〜。

あみ茸のみぞれ和え。
胡麻豆腐
行者にんにく
鳥賊明太子
梅貝ガーリックソース焼き
鳥団子とろろ蒸し、etc・・・。
いっぱいで食べきれない。
おみやげつまんだから?(^-^;

お隣に座られた方たちと
きれいでしたね。
雷鳥を見ましたよ。
どのコースを歩かれたんですか?

いっぱいおしゃべりして
いっぱい食べて。
ふぅ〜
満腹、満足。

夕食を済ませてからお風呂へ。
あまりに熱いお湯だったので
部屋へ帰るとすぐに
窓を開けて涼んだ。
涼むと言うにはあまりに冷たい空気。
でも気持ちいい。
長風呂の私の方が早いなんて
旦那はどうした?
まさか飲み過ぎて
倒れてないよね。

あれ?
あの灯りは何?
立山のある辺りの上の方に
灯りが見える。
UFO?まさかね。
でもあの灯りは車のライトって事もないよね。
これ以上は自動車は行けないもの。
もしかして山小屋があるの?

灯りがはっきり見えるって事は・・・?
大きく身を乗り出して上を見上げる。
星!
いっぱい見える。
旦那がお風呂から帰ってきた。
「ねぇ、早よ早よ見て!
あそこきっと山小屋。
それから星!
きれいやろ?
なぁ見に行こ。」

浴衣の上に一つ羽織って
またまた屋上へ。
外灯のないそこには
こぼれんばかりのお星様。
家から見える天の川よりも
数倍きめ細かな天の川。
あ、あれが白鳥座。
はっきり分かる。
家からだともしかしてあれかな?
って思ってた白鳥座。
北極星も北斗七星も
カシオペアも・・・。

♪あれが〜カシオペア〜
こちらが白鳥座〜♪
「ほいほい」
♪ぽつり〜ぽつりと〜〜〜〜
僕が指さす♪
「ほいほい」
ほいほいは、いらんって!

山の上に見えるのはやっぱり山小屋らしい。
明るいうちは
雲で上の方が見えなかったから気が付かなかった。
これだけ星がきれいって事は
明日のご来光はきれいやろな。

ホテルに着いて一番に
ホテルの人から案内があった。
明日早朝、ご来光バスを出すので
希望者は申し込んでくださいと。
ただしモーニングコールは3時半。

3時半と聞いて
旦那は「やめとこ」と言った。
きっと私のことを気遣ってのこと。
きつそうな行程で
早起きは明日に響く、と。
ここからでもご来光は拝める。
立山から昇る朝日は最高だろう。

良い一日だったな。
いっぱいいっぱいきれいなもの見たなぁ。
作品に生かせたらいいな。
ホントに来て良かった。
明日はなるべく早く起きよう。
おやすみ、ZZZ・・・・・・・。

(つづく)


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